『品種と土地の個性を価値に』
このコンセプトのもと、持続可能な畜産を目指し、阿武町ならではの資源を活用した育て方で、無角和種を育てていくことを進めています。
その視点の重要性については、こちらから。
荻澤さんインタビュー
また、前回の地域資源についての記事はこちらです。
地域の資源 〜ビール編〜
梨の皮、おから、ビール粕、米糠などなど。
色々と調べてきた、阿武町や萩市の近隣で生み出されている資源たち。
また新しい、活用できそうな資源が見つかりました。
それはこちら、柑橘の搾りかすです。
阿武町を含む、山口県の北部のことを「北浦」と呼ぶのですが、この辺りは柑橘の生産が盛んです。
特に萩市の城下町では、明治維新によって収入が減ってしまった武士の救済として、夏みかんの栽培を推進してきた歴史があり、日本海からの強い北風から夏みかんの実を守るために、城下町の土掘が綺麗に残っていると言われているほどの関係の深さ。
まさに「土地の個性」です。
そのため、柑橘の加工をしている業者が地域内に多く、今回はそこから出る搾りかすをいただくことが出来ました。
ポン酢に使うために搾られたものだそう。
しかし、そのままだとサイズが大きく、牛が食べなさそうということで、とりあえず細かくしてみることに。
肉をミンチにする機械に柑橘の皮や果肉を入れて、細かく細かく。
搾りかすと言われてもらってきたものですが、まだまだ瑞々しさの残る様子に、改めてこの地域における柑橘の豊かさを感じました。
最終的に細かくなったものがこちら。
これを含む、今まで集めてきた地域で生み出される色々なものと混ぜ合わせて、バッチリな配合をこれから探っていきます。
牛は食べてくれるかな、なんて考えながら皮を細かくしてみたり。
このごはんでどんな育ち方をしてくれるのかな、なんて想像したり。
家で当たり前に牛を飼っていた時代を追体験できるような、土地の個性を価値にしていく作業。
ひたすらにやってみるのみ、です。